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SEXY BOY「ウエウエか? アゲアゲか? それが問題だ」!?(2)

いわずと知れたモーニング娘。およびハロー!プロジェクトのプロデューサーであるつんくPは、有能な作曲家であるだけでなく、希有な才能を発揮する作詞家でもある。その一見ナンセンスなような言葉選びは、サザンオールスターズの桑田佳佑氏と双璧をなすものだろう。とくにつんくPは、自身の出身地の影響か、お笑いなのか真剣なのかわからないぎりぎりの線上を行き来するおもしろさがある。ふだんはなにげなく聞いている歌詞ではあるが、実は意識することなく聞き手の心の奥に忍び込んでくるものなのだ。流行歌はこの詞とメロディーが合体して初めてひとつのものになる。そんな、歌詞の面からこの『SEXY BOY 〜そよ風に寄り添って〜』の不完全さを書いてみよう。わたしがなにも感じないとした理由がそこにもある。

以前この『SEXY BOY 〜』をDEF.DIVAの『好きすぎて バカみたい』と同工異曲だと書いたが、同工異曲というならつんくPの作品はほとんどがそういえてしまう。しかし、ここにそれどころではない、双子の姉妹のような曲がある。それはカントリー娘。に紺野と藤本(モーニング娘。)の『浮気なハニーパイ』だ。もちろん、メロディーは違うがユーロビートを使ったダンスビートのアレンジ。歌詞の世界観はまさにそのもの。歌詞にある「ハニーパイ」を「SEXY BOY」に置き換えてしまえば、はい!! 一丁あがり!! もし、他人がこれをやったら盗作だと訴えられてもしょうがないかもしれない。だが、作者であるつんくPは同一人物なので問題はない。また、この程度で盗作といわれたら歌を創る側も立場がないだろう。むしろ巧妙に焼き直ししてあって、ちょっと聞いただけではわからない。さすがにクレバーである。こうやって何度も使い回しをし稼ぐのがプロというものだ。音楽の世界では盗作はあたりまえ。人にわからせないようにやるのがプロ中のプロである。

両者の音楽の出来具合いは明かに違う。ここは歌詞がテーマなのでそれは書かないが、当然『浮気なハニーパイ』の方が完成度は高い。その歌詞も同じコンセプトであるにもかかわらず、やはりイメージの広がりに差がある。その『浮気な〜』には非常に意味深い歌詞があり、うまいなと思わせる。それは、

「何度かマジの 悔し涙
私だけに こぼしてた」

というフレーズだ。この浮気性の彼氏(ハニーパイ)は、チャラっぽい男の子で要領がいいらしい。そしてヒロインの女の子は夢を語る彼氏にぞっこんだ。なのにこの彼氏は他の女の子にまで手をだすチョイワル男。だけど、この女の子の前で本気の涙を流して泣いてしまう。この涙はこの子が考えるようなマジな涙なのだろうか? 女の子達を手練手管で弄ぶような男ならウソの涙かもしれない。しかし、ヒロインの女の子はそれでも自分だけのものになって欲しい。この涙は自分だけに流しているのだと思っている、また思いたい。だからこそ愛の証であるキスをしてと懇願する。複雑な乙女心をこのわずかなフレーズで言い表しているとわたしは思う。そこから、この『浮気な〜』という歌のロマンテックなイメージがわき上がるのだ。曲調は激しいのに、やけに切ない歌なのはその歌詞のせいなのである。『SEXY BOY 〜』にも同じようなフレーズがあるが、その分析はまた明日ということにしよう。

(つづけ)

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