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SEXY BOY「ウエウエか? アゲアゲか? それが問題だ」!?(3)

その『浮気なハニーパイ』のフレーズと同じ役割を担っているのが『SEXY BOY 〜そよ風に寄り添って〜』のこの部分だ。

「泣くんだね
そういう場面では
すごいのね
あきれちゃうわ」

なんと装飾のない直接的ないいかたなのだろう。このずるいことをいっぱいするSEXY BOYもまた、女の子の前で涙を流すのだ。比べてみてどうだろう。『SEXY BOY 〜』の方がイメージが広がらないように思える。詞があからさまな表現のため含むところがない。そういう場面とはどの場面なのか? 泣くことがすごいことなのか? それであきれた女の子はどうしたいのか? おそらく『浮気な〜』と同様な意味でこの歌詞を入れたのだろうが、だからなんなのだ? と問わざるを得ない。これもまたこの歌全体の「きも」なはずなのに詩的でもない。

この曖昧模糊とした、わかるようでわからない歌詞がこの歌全体を包んでいる。これは昨年夏の『色っぽい じれったい』にもいえる。いや、それどころではないここ2年くらいのモーニング娘。の歌は、一部をのぞいてみなそうだ。なにをいいたいのか? どうしたいのか? さっぱりイメージが沸かない。歌にはいわゆる言葉遊びだけでできている歌もある。それはそれで歌の意味など探さなくて楽しめるものだが、これはそういったものではないと思う。合いの手がややおちゃらけてはいるが、つんくP流の立派なラブソングなのだろうから。

「歌」には、たとえ意味不明の歌詞がならんでもどこか1ヵ所でも奥行きのあるフレーズがあれば、歌詞のイメージが大きく広がり、深い意味を持つようになるものがある。『恋愛レボリューション21』、これも脈絡のない言葉がならぶ典型的な歌だ。だが、後半「この星は 美しい 2人出会った地球」と歌詞が入ることによってその前の歌詞が生きてくる。紙コップや自転車、恋をして、仕事して、腹がへる、と気取らない生活がこの広い地球上にあり、そこで出会ったごくふつうの2人が恋をする。たったこれだけの言葉でスケールの大きな歌になる。さらに安倍と後藤が歌うことによってその印象はさらに強くなる。実際、この歌の美しいハイライトでもある。アレンジもここだけ押さえ気味になるのもその重要性がわかっているからだ。もうひとつ『そうだ!We're ALIVE』を例にあげよう。これはさらに上をいくほどのめちゃくちゃさ加減だ。意味を探すのもばかばかしくなる。しかし、途中に入る、「幸せになりたい あなたを守ってあげたい 本当の気持ちはきっと伝わるはず」(後半にもう一度すこし歌詞を変えて歌われる)がこの歌をぐっと引き締めている。そう、幸せになりたいから、努力をし、前へ進まなければならない。あなたを守りたいから未来までの平和を考えるのだ。一見いい加減に見える歌詞もすべてはこのフレーズに結実していく。すばらしい!!!

もはやこれらのような含蓄のある歌詞が歌われることはないのだろうか? この『SEXY BOY 〜』には、わたしを喚起させる言葉はどこにも見あたらない。また、そこにモーニング娘。としての「歌」の限界が見てとれるのだ。

(つづけ)

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