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紆余曲折「リボンの騎士」!!! なんでも来いってんだっ!?(2)

「キムラウジ、オヌシ、デキルナ!!」とわたしが思ったのは、キャスティングについた聞かれた次の部分です。

「一例をあげます。本読み稽古の際、フランツ王子を演じる石川くんという出演者が、自分の声の高さを心配していました。しかし声が高くても、懸命に王子の心に成り代わることで、物語として充分に立ち上がってくるものがありました。また大臣とその息子も、親子の愛情そのものが、かえって壮年の俳優と子役の少年が演じるより伝わってきたのです。ここに突破口があります。」

これは演技というものの本質です。おそらくチャーミーは王子、すなわち男の子なので低い太い声じゃないといけないんじゃないかと思ったんでしょう。大臣と息子の演技に関してもそうですが、リアリズムを追求しちゃうとチャーミーのような疑問も生まれるのも当然ですよね。でも、木村氏は出演者が自分を捨て、役になりきることによって返って真実味が出てくるのではないか、出せないものだろうかと考えたのだろうと思います。それはこの後の発言でもわかります。

「宝塚の歴史をいったん白紙に戻し、タカラジェンヌではないアイドル、つまり女の子が男性を演じることで、もう一度「異性を演じる」原点に戻ってみたいのです。これは大冒険です。しかし宝塚にとっても、出演者たちにとっても、必ず意義ある冒険になると信じています。」

実はこれらの発言の前段に、モーニング娘。と美勇伝で宝塚そのものをやるつもりはないと言っています。さらに、そもそもそれは無理なことだとも言っています。宝塚の男役を極めるのには、最低でも10年はかかるそうです。よく、宝塚の男役の方が、退団後テレビなどのトークショーで話しているのを聞いたことがあります。それはそれは男性の行動を研究し、自分のものにするそうです。ですからしばらくはそのクセが抜けなくて大変苦労するようですね。そんな心底「男」になりきった役者ではない、いわば、素人のようなふつうの女の子達がどこまで異性である「男」を表現できるのか? 舞台やドラマが成立できるのか? 思ったテーマを表現できるか試してみたい。そんな演劇的な実験をしてみたいのではないでしょうかね。ですから、彼女達で宝塚をやるつもりはない(宝塚ではできない)といっているのでしょう。ここから、わたしは、この「リボンの騎士」をミュージカルと称していますが、より演劇的(ドラマ)なもののほうに比重が置かれた舞台になるのではないかと考えます。そして木村氏はこういいます。

「手塚先生は作品を描くにあたり、何かしらテーマを念頭に置かれていたのではないでしょうか。「リボンの騎士」のテーマとは何か。「男性と女性の性差」です。その性差を超えた命の尊さです。原作は連載マンガということもあり、中盤以降はそのテーマが薄められてゆきます。しかし劇場作品ではテーマを明確に扱い、結論を出したいと思っています。」
「男の子と女の子の両方の魂を持った王子が生まれ、王位継承の問題のため権力闘争に巻き込まれていく、という前半のストーリーは原作に従いました。ただ、そこから結論への導き方はかなり変えています。最後はハッピーエンドですが、そこへ向かうまでは紆余曲折します。」

どうですか? なかなか「骨っぽい」人物ですね。頭も切れそうです。わたしがゴチャゴチャいう隙はありません。そのとおりです。ちょっと意地悪な見方をしちゃうと、モーニング娘。やハロプロのメンバーは利用されちゃうような気もしますが、この「冒険」が成功すれば宝塚の演出へもフィードバックできるし、モーニング娘。や他のメンバーにとっも表現者としての大きな財産ができると思いますから、とても良いことだとわたしは思います。インタビューにあるその他の発言も、なるほどなと思わせる含蓄のあるものが多くためになりますので、ご一読をお勧めします。それでは、最後に木村氏のダメ押し発言? を載せて終わりにしましょう。また、機会がありましたらこのミュージカルのこと書くつもりです。では。

「今回の舞台は、マルシアさんと箙かおるさんに入っていただくだけで、後はハロー・プロジェクトと呼ばれる若い女の子ばかりになります。真剣勝負で挑みます。そうでなければ、生きている甲斐がないからです。苦労して得たものでなければ、決して観客を感動させることはできません。タナボタ式に得られるヒットではなく、出演者たちが努力して得たものを、そのまま伝える舞台にしたいと思います。」

(「紆余曲折「リボンの騎士」!!! なんでも来いってんだっ!?」はこれで終わります)

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