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2つの「リボンの騎士」と1つの「リボンの騎士 ザ・ミュージカル」!!!(1)

Ribonnokisicomic手塚治虫に「リボンの騎士」は2つある。1953年1月より1956年1月まで「少女クラブ」に連載されていたもの。もう、ひとつは1963年1月より1966年10月まで「なかよし」に連載されていたもの。いや、他にもある。1967年テレビアニメ放映にあわせて「少女フレンド」にも7週連載された。この他、続編の「双子の騎士」。これはサファイアとフランツの間に生まれた双子が活躍するものまである。このように手塚がいう日本のストーリー少女漫画の第一号「リボンの騎士」は、連載開始時から大変好評だったようだ。かくいうわたしも、ここに書いたテレビアニメを見ていたのだから、女の子だけでなく男の子も結構見ていたのである。

まだ興奮冷めやらぬ今夏の「リボンの騎士 ザ・ミュージカル」!!! 全公演が終わった後、わたしは演出の木村信司氏がいったいどの「リボンの騎士」を元に脚本を書いたのか非常に気になりだしてきた。というのも、「リボンの騎士」に接するのは上に書いたテレビアニメを見て以来ということになった。ミュージカルを見る前に、原作を読む手もあった。台本付きのCDを買うことも出来た。しかし、止めた。まっさらな状態でこのミュージカルを見たほうが、客観的な評価が出来ると思った。そして、8月中旬に書いた評となった。そこにはストーリーや役の設定などの不満を書いたと思う。このようなことは手塚治虫の原作本「リボンの騎士」にはどう描かれているのか、対比をしてみたくなったからだ。そこで、現在手に入りやすい文庫本を読んでみた。

最も「リボンの騎士」として認められているのは、「少女クラブ」版(写真右)と「なかよし」版(写真左の2巻)だ。この両者に大筋での差はない。設定もコンセプト、テーマも同じだ。しかし、登場人物やそれにまつわるストーリーに違いが多い。先に書かれた「少女クラブ」版は、まずコマ割りがまだまだ牧歌的なのが良くわかる。すべてではないが、1ページに規則正しく6分割されたコマなどは、4コマ漫画の流れがまだ生きているように思える。これはやがて手塚自身によって大小自由自在に組み合わされ、表現に躍動感を与えることになる。しかし、現在の漫画表現に比べれば稚拙ながら、この「少女クラブ」版はおもしろい!!! 

ミュージカルで展開された話が主だが、後半は違う。そして、わたしがミュージカルで感じた不満はここにおいて早くも払拭されている。サファイアの女の子と男の子の葛藤。フランツとの十分過ぎるラブロマンス。王妃の悩む姿。ジェラルミン大公の願いと悪党ぶり。最後には重要な役割を果たす大公のバカ息子プラスチック。ナイロン卿のしたたかな悪賢さ。ヘケートの父・悪魔メフィストの娘を思う気持ち。それぞれの立場での親子愛。一見活劇のように見えるストーリーも裏ではきちんと政治劇になっている奥深さ。随所に見られる、おとぎ話や古典劇の引用、などなど。まさに、愛と勇気の大アクション長編冒険ロマンス!!! 戦後まだ何年も経っていないこの時期になんと自由な漫画表現なのだろう、今読んでもすばらしい!!! なおかつ、この後手塚作品によく見られる「変身」願望まで見られるオマケつき。サファイアの体の曲線のなんと色っぽいことか!! 時間がアッという間に過ぎて行く!!!

(つづけ 参考資料:1990年7〜9月開催「手塚治虫展」カタログより)

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