終わりを恐れては永遠のアイドルを手にすることなどできない!!!(2)
ここにそのファンにとって「永遠のアイドル」となった少女がいる。その人の名は、「岡田有希子」。モーニング娘。のファンの人達でも、一度くらいはその名前を耳にしたことがあるはずだ。わからない方は、こんな時代なので検索ででも調べて見て欲しい。なぜ、岡田有希子さんの話を持ち出したかというと、最近、彼女の死を報じた側から書かれた本を読み、非常に感動したからだ。その本は石橋春海著の「蘇る封印歌謡 いったい歌は誰のものなのか」(三才ブックス)という。この他、日本歌謡史、音楽史における「表現」の問題を取り上げている興味深い書物なので、機会があったら是非ご一読をお勧めする。そこで、問題の岡田さんのテキストから、昨今のモーニング娘。、ハロプロの一連の事象を考えるのも、また意味があるのではないかと生意気にも考えた次第。
わたしが長年聞き続けている音楽は、いわゆる洋楽ロックである。どちらかというとポップスの方が好き。そこで歌謡曲もきらいではない。アイドルも深入りはしてないものの、目、いや耳か、を配ってきた。1980年代は英米のロックも多種多彩に華やいでいた。日本でもアイドルが全盛期。いや、この頃は本当に音楽的には楽しい毎日だった。そんな中でも岡田さんはちょっと雰囲気が違う感じがした。別にファンだったわけではないが、どういうのだろう? どこか気掛かりな子で、俗にいう出しゃばりが多いアイドルの中では、好感の持てる存在だった。
モーニング娘。でいうと、そう、おわかりのように初期石川や亀井のような存在といえる。もっとも2人とも加入後数年で変わってしまったといわれているが、本質に変化はないのではないだろうか。岡田さんもいわゆる控え目な優等生タイプといわれていた。しかし、この本を読めばわかるとおり、実家に帰った時は、かつての知り合いに『(芸能界なんて)やっとれんわ』(2重カッコは「蘇る封印歌謡 いったい歌は誰のものなのか」からの引用)といって笑わせていたそうなので、明るい面を持っている子のようだ。どうもわたしはこういうタイプに惹かれるらしい!?
その彼女が自殺した時のことは、今でも覚えている。そう、その時なにをしていたか、どんな気候だったか、どんな思いをもったか、生々しく思い出せる。ジョン・レノンが死んだ時と同様に。それは4月の生暖かい空気が流れる、これからが春本番といった気持ちも緩む昼時のことだった。テレビ見ながらの食事中、彼女の自殺を知らせる速報のテロップを見たわたしは愕然とした。上に書いたように彼女の熱烈なファンではないわたしは、アイドル歌手としての死よりも、18歳というこれから正に人生の「春」が来ようとするその目前での最後に衝撃を受けた。実際に彼女はアイドルとしても登り坂を登り始めていたわけだが、「なにも知らない」わたしは一人間として「なぜ?」という思いを隠せなかった。昼休みが終わりテレビを消せば、窓の外、街には人々の声や自動車が行き交う音が聞こえ、燦々と輝く春の陽射しが彼女の死とは別世界のように輝いていた!!!
(つづけ)