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2007年8月20日 (月)

オールドロッカー達の逆襲(95)

ファンク・ブラザースに関しては映画「永遠のモータウン」を見ていただけると良くわかります。映画自体もすばらしかったですね!! また、このサントラも良いです。とくにデラックス・エディションだけかもしれませんが、ファンク・ブラザースによるモータウン・ヒッツの演奏のみが収録されているDISC 2が心踊ります!!

「ダンシング・イン・ザ・ストリート〜ロックがかけぬけた半世紀〜」第4回 貴方だけを愛して〜魂の音楽ソウル〜(2)

■若く才能のあるミュージシャン達が溢れたいたモータウン。華やかな表舞台とは裏腹な現実社会が立ちふさがる

モータウン・レコードはまるで自動車工場が自動車を作るような勢いで次々とヒット曲を作り出して行きました。
ゴーディは歌詞(歌手? 歌詞に聞こえますが)の選択から版権にいたるまであらゆるところに厳しく目を光らせました。そんな彼のワンマン経営が結果的にはビートルズにも対抗しうる力をモータウンにもたらすことになります。
☆マーサ・リーヴス「モータウンの急成長期でした ほんの数か月でだれもが有名人 秘書の私までがレコードを出しました」

ゴーディは歌手そのものよりも強力な作曲家チームをそろえることが成功の秘訣だと考えていました。マーサ&ヴァンデラスの初期のヒット曲はエディ・ホランドとブライアン・ホランドの兄弟、それにラモント・ドジャーを加えたチームによって作られていました。
☆ホランド兄弟「(ブライアンによるピアノ伴奏でエディが『ソー・ワンダフル』を歌ってみせる)我々の大好きな曲だ 歌を書くのには時間がかかるよ まず言葉をいじりながらフィーリングをつかむんだ フィーリングをつかみ取るのは一番大切な作業だ それさえつかめば歌詞が半分欠けても意味は伝わる」

ホランド=ドジャー=ホランドと呼ばれたこのチームはシンプルな歌詞と明快で親しみやすいリズムを持った曲を次々と作り出して行きました。
☆トーマス・ビーンズ・ボウルズ「当時のレコードはリズムをあまり重視していなかった だから彼らはそれを前面に押し出したんだ」「彼らはあらゆる物をリズム楽器に使った 時にはチェーンを振ったり壁をひっかいたり良い音がする物は何で使ってみたんだ」
☆マーサ・リーヴス「モータウン・サウンドを支えていたのはバック・ミュージシャンの優れた技量です 彼らの演奏が歌を生かしてくれたんです ファンク・ブラザーズこそサウンドのかなめでした」

ゴーディはモータウンのスタジオ・バンドとして腕利きのジャズ・ミュージシャンを集めていました。ファンク・ブラザーズとは彼らに付けられたニックネームです。また、ゴーディは作曲家同士のライバル意識を巧みに利用したことでも知られています。
☆ホランド兄弟「真の競争は社内にあった 競争相手はスモーキーやN・ホイットフィールドさ だから良いプレイヤーの手が空いていると作曲家どうしですぐに取り合った そんな内部での競争がかなり激烈だったね」

後に大ヒットを連発するスプリームスは最初の3年間をまったくヒットが出せないまま過ごしました。その彼女達を救ったのがホランド=ドジャー=ホランドのチームです。
☆メアリー・ウィルソン「私たちがモータウン初の女性グループなのにヒットを出すのは他の人ばかり ある時ホランドが新しい曲を持ってきました 聴き終わって私はこう言ったんです 全然ダメ これじゃとてもヒットにはならないわ「ベイビーベイビー愛はどこへ行ったの」(『愛はどこへ行ったの』を軽く歌う)なんて… 私たちはもっとソウルフルな歌が欲しかったんです 情けなくて涙がでました ヒットが出ないことに絶望していたんです」

順風満帆のモータウンでしたがその裏では彼らにひとつの社会的な壁が立ちふさがっていました。
☆マーサ・リーヴス「レストランには裏口から入ったし食べ物はすでに冷えきっていました」
☆トーマス・ビーンズ・ボウルズ「テキサスではゴミ箱の間を通り抜けて裏口の窓から食べ物を出してもらったよ 紙皿に乗せて出された食事を皆で食べたよ ゴミ箱の上でね」

モータウンの黒人ミュージシャン達はすでに押しも押されもせぬ大スターでした。しかし、ひとたびステージを降りれば、そんな彼らにさえ容赦のない人種差別が待っているのです。
おりしもキング牧師を中心とした公民権運動がアメリカを揺るがしている時期でした。
また、白人の聴衆を意識するあまりモータウンの音楽は過剰なまでに洗練され人工的なものになって行きました。それに満足できない人々はより魂のこもった音楽を求めてアメリカ南部へ向かうことになります。

●ALBUM TOP(2007-08-25)
87 ← 89 Ozzy Osbourne Black Rain
94 ← 55 Paul McCartney Memory Almost Full

●TOP POP CATALOG(2007-08-25)
4 ← 4 Journey Journey's Greatest Hits
5 ← 7 AC/DC Back In Black
9 ← 9 Pink Floyd Dark Side Of The Moon
10 ← 10 Bob Seger & The Silver Bullet Band Greatest Hits
15 ← 14 The Beach Boys The Very Best Of The Beach Boys: Sounds Of Summer
16 ← 27 Eagles The Very Best Of
17 ← 15 Bob Marley And The Wailers Legend: The Best Of Bob Marley And The Wailers
18 ← 19 Queen Greatest Hits
20 ← 24The Beatles Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band
24 ← 21 The Beatles 1

●CONCERT GROSSES(2007-08-25)
1 -- Lollapalooza: Pearl Jam, Daft Punk, Ben Harper & the Innocent Criminals, Muse, Iggy and the Stooges, Modest Mouse, Interpol, My Morning Jacket & others
Grant Park Chicago, Ill. Aug. 3-5, 2007 $9,843,840 167,330 / 200,000 3 / 0 $195, $80
9 -- Bob Dylan, The Frames Brisbane Entertainment Centre Brisbane, Australia Aug. 13, 2007 $928,243 8,806 / 9,238 1 / 0 $136.55, $68.95

●A BIT OF NEWS
イーグルスは28年ぶりのスタジオ・アルバム「Long Road Out of Eden」とファースト・シングル『How Long』を公開する。まずシングルは今日(8月16日付け)全米ラジオに渡され、月曜日にはwalmart.com、samsclub.com、eaglesband.comを通し利用可能になるだろう。また。アルバムのほうは10月になる予定だ。そして、その月にはデキシー・チックスを従えロサンゼルス・ノキア・シアターで6回のライブを行い、その後ツアーの出るといわれている。

(http://www.billboard.com/より)

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コメント

シュープリームスが題材と思われる、映画《ドリームガールズ》でも

>ベイビーベイビー愛はどこへ行ったの」(『愛はどこへ行ったの』を軽く歌う)なんて… 

といった会話があったような記憶があります。

でも、ヒットしてしまったんですからね~

本人達の思惑とは違う方向に行かざるを得ない状況だったのでしょうね。

投稿: ocean | 2007年8月20日 (月) 22時58分

「ドリームガールズ」はまだ見てないのでなんとかして見たいです!!

では、これは有名なエピソードなんですね。
一番の理想は自分のやりたい音楽で売れるというのがいいでしょうけど…。
スターといえどもどこかで妥協して生きているんですね。

投稿: mamedama2 | 2007年8月21日 (火) 18時46分

「ソウルトレイン」や「サタディナイトフィーバー」によってディスコブームが一気に火がついた。
しかしその火がつく前にフォートップスがやってきた。
(神戸国際会館にて)
私は昔からテンプテーションズやフォートップスが好きでよく聴いていたので、彼らの来日にはすぐに飛びついた。
当日、あのベテランモータウンが来るのだからワクワクしていた。
しかし残念ながらまだ不人気だったため、会場はガラガラ(空席がいっぱいある)

あ~残念。。。

神戸市民よ彼らをこの目で見れるってことは幸せなことなんだぞ!
でも約1時間余りのコンサートを私は十二分に楽しませていただきましたよ・・・
フォートップスのみなさん、ありがとうございます。

投稿: パインパパ | 2007年8月23日 (木) 07時15分

本当に残念なことですね。
興行はタイミングも大事だと良くわかります。
プロモーターの勇み足でしょうか、彼らにも気の毒ですしね。
それにしてもフォートップスの密度の濃い、熱いパフォーマンスが目に浮かびます!!

投稿: mamedama2 | 2007年8月24日 (金) 11時10分

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