クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル『光りある限り…』
今回は、1970年9月日本でもスマッシュ・ヒットを記録したクリーデンス・クリアウォーター・リバイバルの『ルッキン・アウト・マイ・バック・ドア』を載せてみました!? おいおい、お前さんタイトル間違えてるよ、という世間の声は無視しましょう!? というのは、いけませんね。謙虚に皆様の声はお受けいたします。実はですね、わたしの記憶違いでなきゃいいのですが、このシングルは最初こちら、『光りある限り…』がA面だったのです。ところがあまりに曲調が渋すぎて反応がにぶかった様子。しかも、B面にあたる『ルッキン・アウト・マイ・バック・ドア』が、軽快で、いかにもC.C.R.っぽくヒット・シングル向きだった。そこで発売後、そう間をおかずにA、B面を逆転して再発売ということになったようです。わたしとしては貴重だぞ!! と威張りたいところですが、シングルじゃね!? 昔はこんな逆転劇、結構あったと思います。
この頃のC.C.R.、人気ありました!! 当時のクラス・メイトにやたらC.C.R.が好きな人がおりまして、だいぶ感化されたこともあり、このシングルを買ったわけですけど、アメリカでも人気絶頂期でした。この2つの曲が収録されているアルバム「コスモス・ファクトリー」も大売れ!! そこから3枚(結局アメリカでは両A面扱いだったようです。で、全6曲)のシングル・ヒットが生まれるという、彼らの名盤のひとつとなりました。最近では、ミュージック・マガジンの特集「消えた(?)名盤100」に選ばれてしまい、寂しい限りですが、そんなことはない!! と断言したいですね。
じゃあ、なぜこの渋い『光りある限り…』がA面扱いになったのか疑問が残るところ。その答のようなものが、八木誠さんが書いているライナー・ノーツにありますので、その部分を。
「今まで、C.C.R.のシングルはほとんどといっていい位、ミディアムないしアップ・テンポのもので占められたいた。しかし、この曲はスロー、それもかなり渋い感じの曲調となっている。ちょうど、過去のレパートリーからいえば、3枚目のLPに収められていた「ザ・ナイト・タイム・イズ・ザ・ライト・タイム」に似ている。でも、正確には、こちらの方がずっと聞きごたえがある。たとえば、ジョンのヴォーカル一つをとっても、これほどソウルフルな歌い方はしてなかったはず。(中略)ある意味で、彼等の中に「何か」が起こりつつあることは、充分予想される。それはともかく、この曲は大変すばらしい曲だと思います。とくに、何回となく針をおろしていくと、ますます深い魅力が伝わってくるような感じだ。だから、間違っても、1回きいただけで判断して欲しくない。」
長くなりましたが、正にそのとおりで、わたしも「こく」のあるこの曲が好きです。彼らとしてはヒットの余裕からか、たまにはこのような実力曲も出してみたかったのでは、と思いますね。聞き手の要求とアーティスト側との欲求との差が出てしまったようです。「コスモス・ファクトリー」でも、長尺の野心作『悲しいうわさ』(オリジナルはマービン・ゲイ)の後、ラストに収められていた。そこからも、八木誠さんの見方は間違ったなかったのでしょう。この後、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルは徐徐に失速していってしまったのですから!!
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