2009年6月27日 (土)

ポール・サイモン、アルバム「ライブ・サイモン」

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今回は、7月の来日コンサートがものすごい人気となっているサイモンとガーファンクルの頭脳!? ポール・サイモンの1974年のソロ・ライブ・アルバム「ライブ・サイモン」(帯またはキャップ? は紛失)を載せてみました。シングル・ジャケット(レコードを袋状に入れたもの)なので、写真の数がやや寂しいのはしょうがないですね。

このアルバムは国内でCD化されているのでしょうか? あまり出てると聞いたことはありませんが。まあ、いいでしょう。サイモンとガーファンクルの最高傑作1970年の「明日に架ける橋」リリース以降2人がソロ活動に入ったことはみなさんご存じ。ポールのソロ・アルバムもセールス、音楽的評価とも順調だった。そんな中でもさらにアルバムの売り上げを伸ばすにはツアーが必要との判断から、各地でコンサートを決行!! その後出来のいいものを選んでまとめたのがこれ。年代的には1973年のライブのようです。

正直、音のほうは忘れてしまいました!! 紹介しておきながらこれは失礼かと思いますが、今となってはプレーヤーもなく、そうだな〜30年以上は聞いてない。スミマセン!! でも、このアルバムが発売され、買った当初は良く聞いてました!! その魅力はなんといっても、ここまでのポールのキャリア総まとめ!? みたいな収録曲にあります。順に書き出しますと、

side A
1 僕とフリオと校庭で
2 早く家へ帰りたい
3 アメリカの歌
4 コンドルは飛んで行く
5 ダンカンの歌
6 ボクサー
side B
1 母と子の絆
2 サウンド・オブ・サイレンス
3 ジーザス・イズ・ザ・アンサー(これはジェシー・ディクソン・シンガーズのみで)
4 明日に架ける橋
5 ママはご機嫌(母からの愛のように)
6 アメリカ

もちろんこれがポール・サイモンのすべてではありませんが、なかなか的を得た選曲ではないかなと? またユニークなのは裏ジャケットです。歌うポールの後ろ姿を中心に、それぞれの楽曲におけるライブ写真が囲んでいる。まだまだライブ映像が簡単に見られない時代。このジャケット写真を見ながらレコードを聞けばコンサートの雰囲気が味わえる。実際わたしもそうして聞いたのです。例えそれが空想の世界でも当時は貴重なもの。そんなデザイン・コンセプトが好きでした!!

『コンドルは飛んで行く』や『ダンカンの歌』『ボクサー』では、『コンドルは飛んで行く』で有名なロス・インカスの旧メンバーがいるウルバンバも参加。ライナーノーツを書いている中村とうようさんは、ジェシー・ディクソン・シンガーズとともにポールの音楽性のこのへんを評価!! セールス的にはいまいちだったようですけど、ポールのやりたかったことが詰まったライブ・アルバムといえるでしょう!!

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2008年8月 2日 (土)

四人囃子アルバム「一触即発」

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今回は、この「ROCK&POP PARK」始まって以来の快挙!? 日本のロック・グループを取り上げてみました。その栄えある栄誉を受けるのは(ちょっと大袈裟!?)、その名も高き「四人囃子」!! そして、四人囃子といえば「一触即発」!! そのアルバムを載せてみました。

最近またまた四人囃子の評価が高まってきているようですが、わたしが始めて彼らの音楽を聞いたのがいつなのかはっきりしません。「一触即発」発売当時(1974年6月発売)からその評判は、わたしの耳にも届き始めていました。その頃ラジオかなにかでこのタイトル曲『一触即発』を聞いたんでしょうね。ここで何度もいっているようにプログレ好き、しかも一番関心の高かった時期ですから、もう一発で打ちのめされました!! それでも欧米崇拝主義!? だったわたしには、どうも日本のロックに手を出すなんて邪道!? のような気がし、アルバムを買うか、買わないか、で悶々としていたのです!?

で、いいものはいいじゃないか!! と根性出して!? 地元の小さなレコード店で買ったのでございます。まあ、この地元の店のレコード棚にも並んでいたところが、四人囃子の人気の高さを感じさせますね。でで、早速我が家のプレーヤーにかけて聞いてみたら、どの曲もすばらしい!! 以後毎日のように聞きまくり、すっかりわたしの愛聴盤となったのです。おまけに収納場所は、ピンク・フロイドやイエスの横という好位置!? 四人囃子のみなさんも満足でしょう!!

四人囃子の音楽は、そのイメージからピンク・フロイドに例えられるのが通例のようですが、わたしがこのアルバムを聞いた印象は、むしろイエスに近いような気がしました。でもそんな例えも、四人囃子のメンバーには迷惑な話かもしれません。手法は似ていても、かなりオリジナルな音楽ですものね。このアルバムの曲はどれも、非常にイメージの湧く、ビジュアルな歌詞と楽曲で満たされています。その中でもやはり『一触即発』は、すごい!! イエスの「こわれもの」の1曲『燃える朝焼け』と対になっているようで、実際にそんなイメージが湧く、三陸のリアス式海岸で朝焼け・夕焼けを見ながらこの2曲を流してみようと計画!! が、資金難で挫折!? いや、一度やってみたい!!

その翌年(1974年8月7日、ほぼ34年前)には、後楽園球場で開かれた「ワールド・ロック・フェッスティバル」に四人囃子が出演。『一触即発』の歌詞にあるような夕方よりやや遅く登場した彼らは、期待どおりのすばらしい演奏だったのです。しかしその後、メンバー・チェンジなどを繰り返して行くうちに、わたしの関心から離れてしまいました。それでも数年前ですかね、再結成ライブが開かれその模様をテレビで見ましたが、外見がオジサンの四人囃子もやはりすばらしかった!! 『一触即発』は名曲です。

ちなみにこのアルバムのメンバーは、森園勝敏(ギター他)、坂下秀美(キーボード他)、中村真一(ベース他)、嵒大ニ(ドラムス他)となっています。意味深なジャケット・アイデアも四人囃子。なにからなにまでわたしのプログレ好みにピッタリ!!!

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2008年6月14日 (土)

スーパートランプ「ブレックファスト・イン・アメリカ」

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今回は、イギリスのバンド=スーパートランプ1979年の大ヒット・アルバム、「ブレックファスト・イン・アメリカ」を載せてみました。わたしの持っているのは、たぶん米輸入盤です。そこでこれしかブツ!? はありません。質素でいいですけどね!? 以前AFNを聞いていたら、このアルバム収録の『ブレックファスト・イン・アメリカ』のイントロが流れてくるじゃありませんか!! これゃ、めずらしい、と楽しみにしていたらだんだん違う曲になってきた!? どうやらイントロなどをサンプリングした別の曲らしい。こんな時代ですから堅いことはいいたくないけど、やっぱり釈然としない!! でも、結構気持ちのいい曲だったけど。

そんなわたしですが、スーパートランプはあまり良く知らない。印象としては小型YESってとこでしょうか。プログレ好きなので、彼らの音はそこそこ聞いていましたが、他のプログレ・ビッグ・グループと比較したら、圧倒的に情報量なども少なかった。このアルバムでブレイクする前、東京12チャンネル(現テレビ東京)の「In Concert」という洋楽ライブ番組で、イギリスかアメリカでのライブが放送されたのが強く思い出されます。

で、どうなったのかな〜なんて思っていたら、アメリカでこのアルバム「ブレックファスト・イン・アメリカ」が突如大売れ!! すっかりポップになって現れた。たしかに聞いてみると耳に心地良し!! 売れ線を狙ったわけじゃないだろうけど、当時の音楽的流行とアメリカという市場がうまくはまったんでしょうね。アルバム・デザイン本「100ベスト・アルバム・カヴァーズ」に載っているこのアルバムのコメントによると、「〜アメリカにある漠然とした何を求めて、1977年ハリウッドへ渡った。その成果が『ブレックファスト・イン・アメリカ』だ。音楽と歌詞には、彼らの渡米をめぐる論争に対する皮肉と反発が透けて見える。〜」とあります。ベスト・セラーは、そんな一念発起が実ったということなんでしょうね。

そんなこんないっても、このアルバム最大!? の魅力は、そのコンセプトをうまくビジュアル化したジャケットといっても過言ではないはず。チャップリン初期の傑作「移民」の冒頭でも、アメリカに着いた最初の証しは、自由の女神像。スーパートランプも長年、アメリカへの移住と成功を夢見ていた。そして、希望が叶った時に初めて目に飛び込んできたのは、こんなイメージだったのかもしれません。ここには、外からた見たアメリカが1枚のビジュアルの中に詰まっているのです。当初、このウエイトレスさんは、典型的なアメリカ美人を予定していたようですが、メンバー達がブス!? 専門モデルのエージェンシーから採用したとのこと。このへんは辛らつなイギリス的ユーモアなのかしら!? 物質文明への抵抗と欲求。彼女リビーは、彼らのツアーにも同行。オープニングに登場し、盛り上げに一役かったということです。

中袋からレーベル、裏ジャケット写真まで、凝りに凝ったその演出は見事だし、楽しい!! スーパートランプの面々も嬉々とした演じている。「〜デザイナーのマイク・ダウドとミック・ハガティは共にグラミーのデザイン賞を受賞した。当然の評価といえる。〜」と「100ベスト・アルバム・カヴァーズ」には書いてあります!!

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2008年3月30日 (日)

取り扱い注意ジャケット3=ジョン・レノン「心の壁、愛の橋」

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今回は、ジョン・レノン1974年のソロ・アルバム、5作目「心の壁、愛の橋」を載せてみました。これを紹介するにあたり、改めてレコードを引っ張り出してみて思ったんですけど、記憶以上にヘラヘラ!? ヒラヒラか!? まあ、ちょっと貧弱なんですね、作りが!! とくに表面、ジョンの幼少期の絵を使い、飛び出す絵本のごとく、切り込みの入った部分を動かすと下の絵が見えてくるという、遊び心満点のアイデア!! ちょっとペラペラ・マンガのようでおもしろい!! でも、このジャケットを3分割したようなところは、下手するともげちゃうんじゃないかとヒヤヒヤ(今回は擬音が多いな!?)!! 上の写真を見ていただければご理解いただると思います。このジャケットも紙は薄手の厚紙。コワイコワイ!!

さらにですね、レコード本体を入れる方法が、通常のものと違うのです。5番目の写真に矢印を付けておきましたが、左側と上が開いておりまして、そこから挟むように収めるのわけです。で、ジョンの舌出し写真を綴じてしまう。デザインした方(Roy Kohara)も、そのへんは気になったのか、ジョンの顔写真をあしらったレコード袋のようなものを用意。これで安心感を出している、のかな? 乱暴に扱うと上からレコードが飛び出しちゃうんだけど!?

そうはいってもですね、この時期やや落ち込んでいたジョンが、自分を見つめ直すがごとく取り組んだ作品だけに、子供時代に描いた絵と、その時現在の自身の顔をひとつのジャケットにしたことは、意味のあることだったと思います。ここで見られるジョンの絵は、動きや観察に優れたさすがのものですね。ポールも絵はうまいですけど、どうしてもこの面ではジョンに世間の目は向いてしまう。その分、音楽的功績はポールに行くのですから、それでいいのではないでしょうか。

2、3年前に出たリミックス&デジタル・リマスタリングCDでは、このLP時代のジャケットは採用されなかった。そうでしょうね、加工が大変そうだから!! このなんとも心もとない感じが、このアルバムの音楽的魅力に通じるんだけどなぁ〜。CD版には、アウトテイクの顔写真が使われています。それは時としてヨーコの顔と似ている。レーベル面には、まさにそのとおり、ジョンからヨーコに段階的に似てくるモーフィング効果の写真があしらわれています。やはり2人は一緒になるべき運命だったと感じざるをえませんね!! 

それでは、この「取り扱い注意ジャケット」シリーズは、これにておしまいということに。3点とも73年、74年とほぼ同時期の発売。60年代後半からジャケット・デザインが凝りだし、ただビジュアルだけの表現に飽き出した頃なのでしょうか? でもそれは、加工に手間(お金も)がかかるものの、アーティストの音楽表現に必要なものだったと思えます。それにしても、人間(この場合はデザイナー)はいろいろなことを考えつくものですね。この「創造力」にわたしは惹かれます!!

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2008年3月15日 (土)

取り扱い注意ジャケット2=ジャクソン・ブラウン「フォー・エヴリマン」

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今回は、ジャクソン・ブラウン1973年の2ndアルバム「フォー・エヴリマン」を載せてみました。毎年、寒さもやわらぎ、春ももうそこまでという頃になると無性に聞きたくなるのが、「永遠の青年」ともいえるジャクソン・ブラウンの歌声。どうしてそうなのか、といわれてもこれといった答もなく「気分」ですかね!? 強いていえば、彼の来日コンサートが春先に多かったという印象でしょうか。まあ、簡単にいと「春を呼ぶ男」ってとこかな。もうちょっと文学的!? にいうと、彼の持つ音楽性が青春の苦悩と喜び(なんかフレーズが古いな)に立っていると思えるところから、その甘酸っぱさが季節でいうところの「春」と結びついているのかも?

そうそう、肝心の壊れやすいジャケットね!! これはですね、上の写真を見てのとおり、遠くから見るとなんの変哲もないジャケットなんですが、額縁のようなフレームの中がボコッと切り抜かれているのです。そこに見えている中南米風の庭にたたずむジャクソンの写真(人口着色のようなイメージ)は、レコードを収めている中袋に印刷されています。レコードを聞く時は、当然この袋を引っ張りだすので、結構神経を使う!? なんせ、ジャケット本体のほうは型抜きのため、これまた薄口の厚紙。おまけに表面の多くは紙がない状態。へたしたら、ベリッと破けてしまいそう!! でも、それがゆえに大事に大事に扱うことができたのが、ビニール・レコードのいいところかもしれませんね。CDだと下手すると、投げ付けたりしますからね!?

「フォー・エヴリマン」は、初期の彼の作品群の中では、比較的地味な印象のアルバムといえるかもしれません。なんせ、次ぎのアルバムは彼の最高傑作と名高い「レイト・フォー・ザ・スカイ」!! わたしもそこから入っていったのですが、この2ndアルバムもなかなか捨てがたい魅力がある作品です。音が明るいというのか、グレン・フライと書いた『テイク・イット・イージー』が入っているせいでもないと思うけど、あ〜、いかにもカリフォルニアだな〜なんて勝手にイメージが膨らんじゃう!? しかし、そこはジャクソン!! しっかりとしたメッセージも忘れてはいない!! それをさらに発展させたが「レイト・フォー・ザ・スカイ」だったんじゃないでしょうか!! 良き相棒デビッド・レンドレーはギターを弾き捲っちゃうし、ゲスト・スターは豪華だわ、地味な色調のジャケットからは想像がつかない内容でございます。

最近出版されたジャクソン・ブラウンの伝記には、口絵として彼の息子イーサンと一緒にプレミア・ショーに駆け付ける写真が載っていました。びっくりしましたね〜、なぜってどっちがお父さんなのかわからないんだもん!? まあ、良く見ればジャクソンのほうがシワもあり老けてはいるのですが、相変わらずの若々しさ!! 新作「ソロ・アコースティック第ニ集」もチャートで健闘中!! 大ヒットには見放されているけれど、今の音楽的環境も充実しているようです。これを書いていたら、また、彼の歌が聞きたくなってきました。では、このシリーズ次回をお楽しみに!!

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2008年2月23日 (土)

取り扱い注意ジャケット1=エマーソン・レイク&パーマー「恐怖の頭脳改革」

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今回は、エマーソン・レイク&パーマー1973年レコーディングのアルバム「恐怖の頭脳改革」を載せてみました(オビはありません)。LP時代のジャケットは、パッケージという側面がありまして、いろいろと紙加工できるところがCDと違うところでした。そこで、わたしの少ない陳腐なレコード・ライブラリーから、そんな細工のされたジャケットを2、3紹介したいと思います。ではご笑覧くださいませ!!

上の写真を見てお分かりと思いますが、「恐怖の頭脳改革」ジャケットの最大の特長は、オモテ面が真ん中から割れて観音開きになることです。レコードを取り出す時は、両手で「ご開帳!!」とばかりに、左右開くわけでございます。「ありがたや、ありがたや」ってな感じ!? 確かに、当時のアルバムはどれもありがたいものでした。

ストーム・トーガソンとオーブリー・パウエル編著の「100ベスト・アルバム・カヴァーズ」というジャケット本でも、この作品が取り上げられております。「これはパッケージ・デザインとしては斬新だが、破れやすいとう難点があった。」とのコメントどおり、普通のジャケットより堅牢さには欠けますね。中央の半円部分は「型抜き」で断裁されたもの。そのためか、紙もボール紙ではなく、ややうすい厚紙。レコードは、見てのとおり、入れづらく出し入れに気を使います。ちなみに、アート・ディレクター兼ジャケット・デザインはファビオ・ニコリ。

それでもですね、かの有名なH.R.ギーガー作によるイラストは、そのうやうやしさに見合うものでした。もちろん彼の名は、映画「エイリアン」が大ヒットするまで、多くの人達には知られていない存在だったと思います。わたしはこの「恐怖の頭脳改革」で初めてその名を知ったわけですが、見た瞬間のインパクトは相当なものでしたね。世界にはこんなアーティストもいるのかって!! 

先の本によりますと、これはエマーソン・レイク&パーマーからのご指命だったようです。とくにキース・エマーソンはギーガーに詳しかったらしい。仕事の依頼にエマーソンがアトリエへ訪ねにいくと、そこは「床から天井まで見渡す限り、エアブラシの海。」(ギーガーは後に、エマーソンによる自宅の描写はでっちあげだと語った)だったそうな。そこで見せられた絵のひとつがこのジャケットのイラスト。「ELPの音楽そのものだった」とエマーソンはいった、と書いてあります。

実は、丸く見える女性の首にはギーガーらしくペニスが描かれていたようです。これは「やばい」ということで、渋々彼自身の手で修正されたとのこと。現在でも良く見ればそう見えるのは、「芸術」への信念でしょうか? 最後は、キース・エマーソンの感想を引用して終わりましょう。「『恐怖の頭脳改革』は、メンバーがそれぞれオーケストラの道へ進む前の、エマーソン、レイク&パーマーとしての最盛期を象徴するアルバムです」。そのとおりですね。では、次回へ!!

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2007年9月 8日 (土)

C.C.R.豪快なるベスト・アルバム「クリーデンス・ゴールド」

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今回は1972年11月8日アメリカ発売、ですので日本では年末か明けて1973年1月頃、おそらく新春第1弾としてリリースされたクリーデンス・クリアウォーター・リバイバル(以下C.C.R.)のベスト・アルバム「クリーデンス・ゴールド」を載せました。まあ、C.C.R.、G.F.R.、ELPなどと短縮して覚えていたので、USBだのEPSだのCEOだのといわれてもそう抵抗はないですけどね!?

またまたベスト盤かと思われるかもしれませんが、これは日本独自編集といったものではなくいわば公式盤です。C.C.R.はこのベスト盤発売前の10月に惜しくも解散。メンバー3人(この当時)はソロ活動へと進むことになりました。このアルバムはいわば置き土産のようなもの。その経緯に恥じぬすばらしい内容!! といいたいところなのですが、ちょっと複雑な気持ち!! 帯に書かれている「豪快なる」という言葉がミソですかね。

それは解説書にも書いてあるように、内容のある曲目とはいえ8曲しか収録されていないところ。『悲しいうわさ』と『スージー・Q』の演奏時間が長いというのが原因でしょうか。でもこれは彼らにとって重要な作品なのではずせない。そうすると他の曲を無闇に収録するわけにいかないという、一種の「潔さ」が転じて豪快という言葉になったと思います。ですが、C.C.R.は活動期間が短かったとはいえすばらしい作品が多すぎた!! わたしもこのベスト盤に満足はしていたのですが、なにかもの足らない気分が残ったものです。まあ、それを解消するにはオリジナル・アルバムを聞いてね、ってことなんでしょう、きっと。

しかし、中身は多少不満でもジャケットや解説書は大満足でした!! どうですか美しいでしょう!! 本皮のようなうねうねのあるエンボス仕上げの厚紙に、カラフルでいながら伝統的なアメリカ・ウエスタン風書体とイラスト!! イラストレーターの名前がないなんてどうなんでしょ? 紙の肌触りとともにずっしりくる重みがCDにないものがあります。また、この当時の東芝音楽工業らしい幅の広い帯が購買意欲を高めますね!! しかも、12ページにわたる解説書も東芝の得意技!? 曲目解説から始まって、メンバー・プロフィール、グループ年表、テレビ・ラジオのプロデューサーらによるC.C.R.の思い出、歌詞と対訳、ディスコグラフィーといたでりつくせり!! 御主出来るな、東芝レコード!?

「クリーデンス・ゴールド」が売れたからか、このじゃ〜まずいと思ったかはわかりませんが、この1年後「モア・クリーデンス・ゴールド」というアルバムが発売になりました。こちらのほうはシングル・ヒットなども多数収めたオーソドックスなベスト盤。それでもまだあるだろうと思わせるところがクリーデンス・クリアウォーター・リバイバルの偉大なところでしょう!!

■ジョン・フォガティ公式サイトはこちら

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2007年6月23日 (土)

リック・ウェイクマン、ソロアルバム「神秘への旅路〜ノー・アースリー・コネクション」

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今回は1976年リリース、リック・ウェイクマンのソロアルバム「神秘への旅路〜ノー・アースリー・コネクション」の輸入盤です。実はこれはもらいもので、当時とある音楽出版会社から廃棄処分になったものを、好きなだけ持っていっていいという機会に遭遇。そんなことですから、聞いたことのないバンドのアルバムばかり。その中で一番いいものがこれでした。

しかし、いくらプログレ好きのわたしでもリック・ウェイクマンのこれはあまり関心もなく、現在にいたるも一度も聞いたことのないアルバムとなってしまいました。では、なぜ載せたのかというと、こんないきさつからかジャケットの中にホッチキスで数枚綴じてある手書きレポートが入っていたからです(上記一番下の写真参照)。それにはこのアルバムの録音日時、メンバーの担当楽器、このアルバムのコンセプト、サウンドの特徴、また音楽より有名なジャケットの画法、コンサートツアーの予定などが箇条書き風に書かれています。

どうやらこのレポートは、音楽雑誌にレコード・レビューを書いてもらうための参考資料のようなものだと思われるのです。たぶん、リック・ウェイクマンのレコード会社担当ディレクターが売り込みのため、この輸入盤にレポートを書いて雑誌社の記者に渡したものではないかと。それが、用済になってレポートが入ったまま、わたしの手に回って来たのではと推測されるのです。

これを見た時、レコード会社のディレクターさんもレコードを売るためにこういった仕事もするのかと、その涙ぐましい努力!? に、多分好きだからやっているのでしょうが大変なことだと感じ入った次第です。で、結果はというと、リック・ウェイクマンのソロアルバムの中でも比較的地味な存在となってしまったようです。

では、ここで変わり種ジャケット特集などあると必ず取り上げられるこの「神秘への旅路〜ノー・アースリー・コネクション」のジャケットについて、上記のレポートから引用しておきます。

「このアルバムのジャケットは、17、18世紀にかけて特別の分野の絵画として発展したアナモルフォーシスという画法を利用しています。」「アナモルフォーシスとは、レオナルド・ダヴィンチやデューラーによって発見されたと伝えられている。」「スプーンに映った見なれないゆがんだ自分の顔との対面は、多くの人が体験することですが、その逆で、ゆがんだ画像を正常に見せるのがアナモルフォーシスです。」「一見円型状に描かれたアブストラクトな像の中央に、よく反射する材質の円筒(アルバムにはアルミホイールのようなものが入っています)を立てることによって、アブストラクトな絵が円筒に反射して映り、初めて正常な像を見ることが出来る。」「このアルバムのジャケットは、この画法にヒントを得て作られた。」

ということです。どうですか、そのように見えるでしょうか?

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2007年5月 4日 (金)

日本編集2枚組ベスト盤GEMシリーズ「GEM/カーペンターズ」

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今回はおそらく1972年リリース(P1972とジャケットに印字あり)だと思われる、日本独自編集ベスト盤GEMシリーズのひとつ「GEM/カーペンターズ」を載せてみました。調子に乗ってまたまたベスト盤です。

先日、NHK総合でカーペンターズのドキュメントを放送していました。このドキュメント自体は衛星第2などでたびたび放送されたものなのでやや食傷気味ですが、総合で放送するところを見るとまだまだ価値があるようです。それほどカーペンターズは現在でも人気があるということですね。もはやカーペンターズに対して説明することもないでしょう。ここは省きます。

このGEMシリーズは以前載せたキング・レコードのローリング・ストーンズ・ベスト盤でもあった「ゴールデン・プライズ」のさらなる発展型。たぶんLP時代のベスト盤、最終到達点ともいえるものではないでしょうか。LP2枚に、そのアーティストのヒット曲や重要曲を完全網羅した選曲だけでなく、厚さ2ミリはある分厚い紙で作られた見開きジャケット。インナー・スリーブはオレンジの紙だけという清さ。それを補うブックレットはジャケット・サイズで12ページ(カーペンターズの場合)。そしてこのGEMシリーズ最大の売り物、「買えないレコードがついてくる…」のシングル盤(サービス・レコード)付き!! どうだ、持ってけ泥棒!! またはジャパネットたかたテレビショッピング状態!? これで当時3,200円!! さすがに魅力的だったです!!

たしかこれ、お年玉で買った記憶があります。やはり附属シングル盤が決め手でしたね。今でいうとボーナス・トラックですか。A面は『いつの日か愛に』、B面は『メリー・クリスマス・ダーリン』。こちらのほうはクリスマス・シーズンになると今でも良くラジオから流れてきます。まあ、どちらも地味ではありますが、カレン・カーペンターのすばらしいボーカルが印象的です。本体の2枚組には、傑作ベストセラー・アルバム「ナウ・アンド・ゼン」以前の4枚のアルバムまたシングルから選ばれたおなじみの24曲を収録。それらが過不足なく並べられていて、ベスト盤の名にふさわしいものとなっております。

現在でもベスト盤の需要は高く、いや現在だからこそ需要が高いのかもしれません。レコード会社? CD会社? 音楽ソフト会社? 呼び方はどうあれこの分野に力を入れているようです。こうしたベスト盤の功罪はいろいろあるでしょうが、音楽を聞くとっかかりとしては捨てがたいものです。これからも手を替え品を替えベスト盤は発売されることでしょう。

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2007年4月 2日 (月)

ローリング・ストーンズ日本編集ベスト盤「ローリング・ストーンズ・ゴールデン・プライズ」

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今回は1970年リリースだと思われる、ローリング・ストーンズの日本独自編集ベスト盤「ローリング・ストーンズ・ゴールデン・プライズ」を載せてみました。先日、サイモンとガーファンクルのベスト盤を載せた時、そういえばこんなへんてこりん(失礼!)なベスト盤があったなと思い出したのがこれです。ジャケットがなんともいえないでしょう? 八角形に枠取りされたのは、同じストーンズのベスト盤「スルー・ザ・パスト・ダークリー(ビッグ・ヒッツVol.2)」のようですし、イラストは色使いといい立体感のないベタッとした表現方法といい、ビートルズのベスト盤「オールディーズ」を思い起こさせます。映画「ギミー・シェルター」を見た後、これは是非ストーンズのアルバム1枚もそろえないとなと考え、熟慮!? の結果選んだのが当時出ていた中で一番お徳な「ローリング・ストーンズ・ゴールデン・プライズ」だったというわけ。まあ、音楽的な価値はほとんどないかもしれませんが、これもひとつの記録(レコード)ということで。

前回も参考にした本「ベスト・オブ・ベスト・アルバム」よると、キングレコードからリリースされていたベスト盤シリーズ「ゴールデン・アルバム」を発展させたのが、この「ゴールデン・プライズ」シリーズだそうです。たしかにその証として丸い金色のステッカーが貼ってあります。また、このシリーズは本にも書いてあるように「データや資料性重視の解説が異様に充実」していることが特長だそうで、上の写真を見ていただければわかるように、解説(越谷政義さんの「ストーンズ下積み時代!!」)、ディスコグラフィ(1970年6月30日現在)、歌詞などがストーンズのメンバー写真(サイケな画像処理)とともに細かく載せられています。

これら豪華な仕様も購買層の経済力を考えたレコード会社苦肉の策のようです。もちろん、選曲もそれに見合うよう無駄!? のないものばかり。以下順に書きますと『テル・ミー』『サティスファクション』『一人ぼっちの世界』『アズ・ティアーズ・ゴー・バイ』『19回目の神経衰弱』『黒くぬれ』『マザーズ・リトル・ヘルパー』『夜をぶっとばせ』『ルビー・チューズデイ』『この世界に愛を』『シーズ・ア・レインボー』『ジャンピング・ジャック・フラッシュ』『ホンキー・トンク・ウィメン』『レット・イット・ブリード』、A面7曲、B面7曲計14曲。熱心なファンの方達には物足りないかもしれませんが、わたしにはそれまでのストーンズの歴史を俯瞰するものとして十分なレコードでしたね。

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